数学3: 数学講座シリーズ ベクトル編 feat. 変態

ベクトルとは、データセットです。
(たとえばスリーサイズのように!笑)

行列とは、ベクトルの集まりです。

エクセルやGoogleスプレッドシートで言うと、
一行(or一列)がベクトルで、
表が行列です。

***

こんにちは。

中学生の頃まで算数・数学が苦手だった黒田道哉です。
小学校の文章題は、見えた数字を適当に使って計算してました。

 

会話で使うとちょっとカッコイイ言葉トップ5に入る

「ベクトル」

をみていきましょう。笑

 

 

日常会話で使う場合は「方向」っていう感じでしょうか。

「そうなっちゃうと、ベクトルが違ってきちゃうかな〜?」

的な?笑

かつて学校ではこう習いました。

「ベクトルとは、大きさだけでなく、方向も持つ量」

わかりにくーい!

 

ストレートに考えて困ったときは、逆から考えるのも手です。
ベクトルの反対語を考えてみましょう。

 

ベクトルの反対語は、「スカラー」です。「大きさだけを持つ量」のことです。

 

まだちょっとわかりにくいですね?

 

基本的に、私達が普段使う数値は、スカラーです。

「100メートル」なんてのは、
大きさ(この場合は距離)のみを表すので、
スカラーです。

 

 

これに「方向」も付け加えると、ベクトルになります。

つまり、「100メートル」というスカラーに方向も付け加えて、
東に、100メートル」とか「北に、100メートル」とか表現するんですね。
こういうのを、ベクトルと言います。

 

 

 

高校数学でベクトルをやった方は、思い出してみてほしいのですが、
ベクトルの舞台は、

xy座標”平面“や、xyz座標”空間“でした。

 

平面ってのは、ヨコ(x軸)方向とタテ(y軸)方向があります。
2つの方向があるので2次元とも言います。

 

たとえば、原点から
ヨコ(x軸)方向に8進んで、
タテ(y軸)方向に9進んだところを点Pとするとしましょう。

これをP(8, 9)と書きました。

 

これが、ベクトルです。
方向と、方向ごとの量をもってるからです。

 

 

 

空間は、ヨコ(x軸)方向とタテ(y軸)方向とタカサ(z軸)方向があります。
3つの方向があるので3次元とも言います。

たとえば、
ヨコ方向に3進んで、タテ方向に−5進んで、タカサ方向に10進んだところを点Qとして、
Q(3, -5, 10)と書きました。

 

これも、ベクトルです。
方向と、方向ごとの量をもってるからです。

 

つまり、

いろんな方向のデータを1つのセットにまとめたもの

をベクトルと言うんです。

 

 

そして面白いのが、
逆にこの

Q(3, -5, 10)

を見た人は、

「ヨコに3、タテに−5、タカサを10とった場所が点Qやな」

とわかるところですね。
どこにも「ヨコが3」とは書いてないのに、です!

 

つまり、暗黙の了解があるわけですね。

一番左の数値はヨコを表してる。
真ん中の数値はタテを表してる。
一番右の数値はタカサを表してる。

という暗黙の了解が。

こんな風に、

 

数値を、あるルールに従って並べたもの

 

が(広義の)ベクトルなんです。

 

理学部数学科の人達には、
こういう表現だと、怒られそうです。

もっと厳密な定義がある世界ですから。

 

でも、プログラムの世界ではこのように理解してもらっても構いません。

ベクトルは、
数値(データ)の集まり(セット)ってことで、
クールに言えば、「データセット」になるわけです。

 

ん〜、たとえば、そうですねぇ…

「スリーサイズ」もベクトルです。

うへへw

 

 

…おっと危ない。

危うく「ほんとの私、デビュー」しちゃうところでした。

 

 

あと、「住所」もベクトル化出来ます。

 

私、ハガキとか手紙とか書くのが好きで、よく書くんです。
筆ペンで書いたり、万年筆で書いたり。
東京駅にあるKITTEまで行って、おしゃれな切手買ったりとかしちゃうような、カワイイとこもあるんです。笑

 

で、やっぱり初めて手紙を出す相手だと、

「教えてもらった住所、郵便番号とか住所とか間違ってないかな?ちゃんと届くかな?」

とか心配になるじゃないですか。

 

で、調べたことがあるんですけど、

郵便番号って、
都道府県と、市町村区と、その次のやつ(町域)までの情報を持ってるんですね。

 

だから、
154-0024」=「東京都世田谷区三軒茶屋」なんですよね。
(なので両方書くのは効率的ではないですが…、エラーチェックにはなります。)

 

なんで、手紙のオモテ面には

〒154-0024
1-16-17-***
黒田道哉行

って書くだけで、届くんですよ。
数値しか書かずに届けることが出来ます。

 

 

キラーン!

 

 

これは、ベクトル化出来ますね!

(郵便番号上3桁,  下3桁,  丁,  番,  号,  部屋番号)
=(154,  0024,  1,  16,  17,  ***)

みたいな感じで。
(※真面目に考えると、「マンションの棟問題」とか、「一軒家問題」とかありますが。)

 

 

他には、一週間の、毎日の出費金額もベクトルです。

(月, 火, 水, 木, 金, 土, 日)
=(1000,1500,3000,2000,5000,1800,0)

とか。

さあ、この辺でお気づきかもしれません。
…そうなんです。

 

 

ベクトルってのは結局、

エクセルの表から抜き取ってきた、一行(or一列)のことです。

 

 

エクセル・Googleスプレッドシートに
月, 火, 水, 木, 金, 土, 日
という固定ヘッダーを用意して、その下にデータを打ち込んでいく。

その横一行のことをベクトルと言います。

 

そして、

表から抜き取ってきた一行(or一列)がベクトルなら、「その表全体」はなんと呼ぶのか?

それを

「行列(matrix)」

と呼びます。

 

そうです。

 

行列とは、ベクトルの集まり

です。

わざとややこしい言い方をすると、「ベクトルのベクトル」が行列です。笑

※ちなみに、「行」と「列」は厳密に区別します。
「4行目」と「4列目」は別物です。「行(row)」は「ヨコ」方向を表して、
「列(column)」は「タテ」方向の1データを表します。カレンダーで言うと、
「一週間」のラインが「行」で、
「毎週日曜」のラインが「列」を表します。この違いは、漢字の形で覚えてください。
」には右上4&5画目に「」というヨコの線が含まれていて、
」には右半分5&6画目に「||」というタテの線が含まれています!
覚えやすい!

 

このように、

 

ベクトル=データセット
行列=データテーブル

 

と思っていただいたら大丈夫です。

 

…え?

 

あぁ。そうですね。
おっしゃるとおり、
あの子と、その子と、この子のスリーサイズをまとめたものも、確かに行列ですね。

いやー、よくご理解いただけてるようですけど、
ベクトルと行列をスリーサイズでたとえるなんて、なんてはしたない!

まったくもう。
なんちゅう変態や。

少しは、ダンディーでクールなジェントルマンである私のように…

〜続く〜

 

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